「エアコンの内部が、黒い斑点やまだら模様だらけ!カビ!?」と、お悩みではないでしょうか?それは、おそらくカビです。エアコン内部は、手入れを怠るとすぐにカビが生えてしまいます。
しかし、なぜエアコン内部がカビだらけになるのでしょうか?―― その原因は、冷房にあります。ですから、冷房のときに少し気をつけるだけで、ある程度カビの繁殖を抑えられますよ。
本稿では、エアコン内部がカビだらけになる原因やカビ予防のための掃除方法、そして応急処置的な対処方法をご紹介します。エアコンのカビでお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
エアコン内部がカビだらけになるおもな原因
何も気にせずに冷房を使うと、エアコン内がカビだらけになります。カビが繁殖する原因は、冷房や除湿運転(弱冷房)によって発生する「結露」です。
結露が発生すると、カビの生育に必要な4つの因子が整ってしまいます。逆に、因子の内のどれかひとつを断てばカビは生育できません。
カビの生育には「酸素・温度・養分・水分」が必要
お部屋の空気中にはカビの胞子が浮遊していて、その胞子が至るところに付着します。付着した場所で条件さえそろえば、カビは簡単に生育できます。
では、カビの生育にはどんな因子が必要なのでしょうか?
カビは、生育するのに「酸素・温度・養分・水分」を必要とします。それぞれ、詳しく見て行きましょう。
酸素
酸素を必要とする性質を好気性 (こうきせい)、必要としない性質を嫌気性(けんきせい)と言います。
ほとんどのカビは「好気性」で、生育には酸素分圧(大気中に含まれる酸素の圧力)が大気中と同じかそれ以上必要です。
言い換えると、カビは空気がないと繁殖できません。ただし、人間の生活環境を無酸素状態にはできませんので、酸欠でカビの生育を止めることもできません。
ちなみに、無酸素環境下でもカビ胞子は死滅せず生存しています。酸素が供給されると、直ちに発芽して増殖し始めます。カビは、かなりタフな生き物なのです。
温度
多くのカビは、おおよそ0~40度の環境で生育可能です (最適温度は20~30度)。0度以下、あるいは40度以上では生育が止まります。ですから、人間の生活環境はカビの生育に適しています。
ちなみに、カビを死滅させるにはどれくらいの温度が必要なのでしょうか?―― 液体に漬かった状態(懸濁状態)のカビは、80度で30分ほど加熱処理すると、ほとんどが死滅します。
一方、乾燥状態のカビはとても耐熱性が高く、胞子を死滅させるには120度以上で60~120分ほど加熱する必要があります。高温でカビを死滅させるのは、難しいでしょう。
参考:文部科学省「カビとは」
ときどき「30度で暖房をかけると、カビを除菌できる」という情報を見かけます。しかし、上述のとおり30度ではカビを死滅させられません。
ですから「30度で暖房をかける」方法は、カビ対策としてはあまり期待できないでしょう。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
養分
カビは、発育するための養分として有機物を必要とします。植物と違い、葉緑素を持っていないので光合成ができないからです。
あなたも、炭水化物や糖を含んだ穀類・豆類・イモ類にカビがよく生えることをご存じでしょう。他にも、ホコリや建材に含まれる有機物、人や動植物の老廃物なども栄養源になります。
つまり、人間の生活環境下では、カビは栄養に事欠かないと言えます。エアコン内も、例外ではありません。お部屋やエアコンを小まめに掃除することが、カビの生育の抑制につながります。
水分
水は、微生物の増殖に欠かせません。カビも、湿度が70%以上になると生育し始めます。湿度が90%以上になると、速やかに生育します。
エアコンの内のカビの生育を抑制するには、常に湿度を60%以下に保つ必要があります。また、冷房や除湿運転時に発生する結露を放置しないことも重要です (詳しくは後述)。
カビは、空気中の水蒸気が少なくても、エアコンの表面に水分があれば生育できます。ですから、室内の湿度が60%未満でも、結露を発生させてしまうと結露水で生育できるのです。
結露の放置によって水分が供給され、カビが増えやすくなる
じつは、冷房あるいは除湿運転(弱冷房)時のエアコン内は、結露を生じやすい環境が整っています。結露が発生すると、カビが生育しやすくなります。
結露とは「空気中に含まれる水蒸気が、冷たいものに触れることで水滴に変わる現象」のことです。夏場、キンキンに冷えたグラスに水滴が付きますよね。あれが、結露です。
冷房でエアコン本体が冷やされ、それに触れた空気中の水蒸気が水滴に変わります。この結露水が、カビの生育を助けているのです。
言い換えると、エアコン内を乾燥状態にしておくことが、カビの生育の抑制につながります。
とは言え、冷房を使うなら結露を止めるのは難しいでしょう。ですから、発生した結露をできるだけ早く乾燥させることが重要です (具体的な方法は後述)。
なお、除湿のしすぎも問題があります。湿度が40%を下回ると、喉を痛めたりインフルエンザ等にかかりやすくなったりしますので、ご注意ください。
参考:J-Net21「建物の高断熱化と室内湿度制御について」
フィルターの掃除不足で養分が供給され、カビが増えやすくなる
チリやホコリも、養分になるため、カビの繁殖を助長します。ですから、お掃除等でチリやホコリを小まめに取り除くことがカビの抑制につながります。
エアコンも、チリやホコリがたまりやすいでしょう。なぜなら、室内の空気を吸い込んで、熱交換器で冷やしたあと(温めたあと)室内に戻す仕組みだからです。
エアコンが室内の空気を吸い込むとき、室内を浮遊しているチリやホコリも吸い込んでいます。これをエアフィルターでキャッチしているのです。
エアフィルターにホコリがたまると、それを栄養源にしてカビが増えます。ですから、カビを抑制するには、小まめにエアフィルターをお掃除することが大切です。
また、エアフィルターの掃除を怠ると、目詰まりによって空気を吸い込みにくくなってしまいます。空気の吸い込み量が不足すると、内部で風の流れがよどみ、結露を起こしやすくなります。
エアコン内部がカビだらけになると、どうなる?
さて、エアコン内部がカビだらけになると、どうなるのでしょうか?エアコン内のカビによる代表的な被害を、ふたつご紹介しましょう。
カビが繁殖すると、見ためやニオイの問題が発生する
最たるカビ被害と言えば、その見ための不快さでしょう。
カビのコロニー(集落)を見て「美しい」と思える方は少ないでしょう。多くの方は、気持ち悪いと感じるのではないでしょうか。
エアコンに付くおもなカビによるコロニーの特徴をご紹介します。
クラドスポリウム (Cladosporium) |
黒カビ。暗緑色から黒色のコロニーをつくる。 |
---|---|
アスペルギルス (Aspergillus) |
コウジカビ。黒色・青色・緑色・黄土色・茶色・白色など、菌種によってさまざまなコロニーをつくる。 |
ペニシリウム (Penicillium) |
青カビ。青緑色のコロニーをつくる。 |
アルタナリア (Alternaria) |
ススカビ。灰色から黒色のやや綿毛状のコロニーをつくる。 |
エアコンに付くカビのコロニーの多くは、黒や緑系の色をしています。そのような色の斑点を見つけたら、カビの可能性が高いでしょう。
エアコンから吹き出す風が、カビ特有のいわゆる「カビ臭い」ニオイになることもあります。これも、不快に感じる方が多いですよね。
エアコン内でカビが繁殖すると、見ためやニオイで不快に感じますので、できるだけ増えないようにしたいところです。
吸い込み続けると、健康被害につながる恐れもある
カビに汚染されたエアコンは、利用する度に大量のカビを飛散させています。このカビを吸い込み続けると、健康被害につながる恐れもあります。
カビによる健康障害の例をご紹介しましょう。
感染症 | 白癬、口腔カンジダ症、肺アスペルギルス症など |
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中毒症状 | カビ毒による肝臓がん、腎臓がんなど |
アレルギー | ぜんそく、過敏性肺臓炎、アトピー性皮膚炎など |
シックハウス症候群 | 咳、湿疹、倦怠感、頭痛、めまいなど |
ぜんそくやアトピー性皮膚炎、あるいはシックハウス症候群に悩まされている場合は、カビが原因かもしれません。
室内にカビの胞子をまき散らさないように、エアコンの掃除を欠かさないようにしましょう。
エアコン内部がカビだらけになるのを防止する方法
さて、エアコン内部がカビだらけになるのを防ぐには、どうすればいいのでしょうか?―― カビの防止方法をご紹介しましょう。
ただし、あくまで「防止」する方法です。カビの繁殖を完全に防いだり、発生してしまったカビを死滅させたりはできませんのでご留意ください。
内部クリーン機能や送風運転を活用する
近年のほとんどのエアコンには「内部クリーン機能」が付いています。冷房や除湿運転時にこの内部クリーン機能を活用していただくと、カビを抑制できます。
内部クリーン機能は、送風運転(または暖房)を利用して結露を乾燥させる機能です。内部クリーン機能を使うと、以下のことができます。
- 冷えたエアコン本体の温度を上昇させる
- 露点(空気中の水蒸気が水滴に変わる温度)に達する前に空気を風で飛ばす
使い方は簡単で、リモコンの「内部クリーン」ボタンを押すだけです。自動タイプの内部クリーン機能であれば、必要なときに勝手に作動してくれます。
手動タイプの内部クリーン機能は、冷房や除湿の使用直後に作動させてください。必要な時間だけ作動したら、勝手に切れてくれます。
内部クリーン機能のない機種は、送風運転で同じことができます。冷房や除湿運転の直後に、3~4時間程度作動させてください。タイマー機能を使うと便利です。
まとめておきましょう。
- 自動内部クリーン ⇒ オンにしておくと勝手について勝手に切れる
- 手動内部クリーン ⇒ 手動でつけると、必要な時間だけ作動して勝手に切れる
- 送風運転 ⇒ 手動でつけて、3~4時間後に切れるようにタイマーをセットしておく
送風運転機能もないエアコンは、室温が30℃以下のときに、リモコンの設定温度を最高まで上げて「冷房」をかけてください。それで、送風運転と同じような状態になります。
内部クリーンや送風運転の電気代は、しれています。3~4時間作動させても、10円程度です。ですから、カビ防止のためにフル活用してください。
カビの生えにくいエアコンを購入する
カビをできるだけ抑制したいなら、カビの生えにくいエアコンを購入するのもひとつの方法です。
カビの抑制に有効な機能をご紹介しましょう。
- 内部クリーン
- 自動お掃除機能
- 自動洗浄機能
- 抗菌コーティング
- 放電やイオンを利用した除菌機能
上述の機能が実装されていれば、カビの付着や、付着してしまったカビの繁殖をある程度抑制できます。ただし、その分、価格が上がります。機能とコストのバランスを考えながら選んでください。
また、どんなエアコンでも、カビの除去や完全な予防はできません。生育を抑える程度ですので、生えるときは生えます。過信しないようにしましょう。
なお、自動お掃除機能付きのエアコンは、クリーニング(分解清掃)の費用が高くなります。定期的にクリーニングしたい方は、自動お掃除機能のないエアコンを買うのもひとつの方法です。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
定期的に掃除する
先述のとおり、チリやホコリはカビの養分になり生育を助長します。ですから、定期的にエアコンをお掃除していただくと、カビの抑制につながります。
自分でお掃除できるおもな箇所をご紹介しましょう。
エアフィルター | 室内から空気を取り込む際、ホコリをキャッチする部品。掃除機や水洗いで掃除。フィルターの自動お掃除機能がある機種は、汚れがひどいときのみ掃除。 |
---|---|
ルーバー | 風向きを変える薄い板状の部品。手の届く範囲を柔らかい布で拭き掃除する。 |
外装カバー | エアコン室内機の表面を柔らかい布で拭き掃除する。機種により、ユーザーが取り外して水洗いできる。 |
上述の箇所は、分解作業が不要です。ですから、ご自分でお掃除していただけます。
お掃除の手順は、以下の記事で解説しています。チャレンジしてみたい方は、あわせてご覧ください。
一方「熱交換器、送風ファン、ドレンパン」などのエアコン内部の部品は、ご自分でお掃除するのは困難です。分解作業が必要になりますので、エアコンクリーニング専門の業者にご依頼ください。
エアコン内部がカビだらけになったときの対処方法
すでにエアコン内部にカビが繁殖している場合は、どうすればいいのでしょうか?
すでにカビが生えてしまっているエアコンは、送風運転やフィルター清掃では、もう根本的に解決できません。最後に、カビが生えてしまったときの対処方法をご紹介します。
エアコンをつけた直後に換気する
エアコン内にカビが生えてしまったときの応急対策としては、換気が有効です。
カビが繁殖しているエアコンは、スイッチを入れた直後に多くのカビを飛散させます。しかし、飛散量はしばらく運転すると減少します。ですから、運転開始直後の換気が有効なのです。
エアコンの運転開始から5~10分間くらい窓を開けておき、浮遊するカビを室外に排出しましょう。
参考:カビ汚染とエアコン
プロにエアコン内部の清掃を依頼する
エアコン内部がカビだらけになってしまったら、内部を徹底的にお掃除するタイミングです。そのまま使い続けると、運転中にカビが放出され、健康を害するリスクが高まります。
エアコン内部のお掃除を自分でやるのは、おすすめしません。なぜなら、洗剤や洗浄方法の選定、清掃処理などに専門的な知見と技術が必要だからです。
エアコンの分解や高圧洗浄機も必要です。ですから、プロのエアコンクリーニング業者をご利用ください。一般の方ではお掃除が困難な箇所も、スッキリきれいにしてくれますよ。
洗浄スプレーの使用はNG
エアコン用の洗浄スプレーが市販されています。あれを使って、自分でカビのお掃除ができないでしょうか?
じつは、電気部品に洗浄液をかけてしまい、故障させるケースが少なくありません。ですから、ほとんどのエアコンメーカーが、市販の洗浄スプレーの使用を禁止しています。
参考:Panasonic「市販の洗浄スプレーでエアコン内部のお手入れはできるか」
なお、自己責任で洗浄スプレーを使ったとしても、お掃除できる範囲は熱交換器(アルミフィン)程度です。奥のほうにある送風ファンやドレンパンなどのお掃除は、洗浄スプレーでは困難です。
すすぎ洗いもできませんので、洗剤の成分が熱交換器に残留してしまい、汚れや故障の原因になります。お手軽で便利なのはよいのですが「お掃除の質もそれなり」と言えそうです。
事故のリスクやお掃除の質を考慮すると、市販の洗浄スプレーはパフォーマンスがよくないのではないでしょうか?
まとめ:エアコン内部がカビだらけにならないように、結露対策を
エアコン内がカビだらけになるおもな原因は、冷房や除湿運転で発生する結露です。内部クリーン機能や送風運転を活用してしっかり乾燥させると、カビの抑制につながります。
一方、生えてしまったカビは、エアコンを分解して内部のクリーニングをしない限り取り除けません。また、そのまま使い続けると、健康を害する恐れがあります。
エアコン内がカビだらけになっているようなら、できるだけ速やかにクリーニングされることをおすすめします。あなたも、エアコン内をスッキリきれいにして、家族の健康を守りませんか?
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この記事の監修者
株式会社my connect(ハウスエイト)
代表取締役
会社概要 »
経歴:平成26年にハウスエイトを設立し横浜市や藤沢市を中心に神奈川県エリアで、エアコンクリーニングやキッチン・お風呂などのお掃除をするハウスクリーニング業に従事。
経験を活かし、プロの目線で、汚れのことやお掃除に関するお悩みの解決方法をブログで紹介しております。
神奈川 藤沢 横浜のハウスクリーニング、エアコンクリーニング、キッチン、レンジフード(換気扇)、トイレ、お風呂、定期清掃など家のお掃除のことなら断然お得!安いだけじゃないハウスエイトまでお気軽にご相談ください☆
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